技術士活動|技術者倫理って何? 技術士による講演会から学ぶ その2

技術士活動
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技術士活動のカテゴリーでは、技術士としての活動記録を報告していきます。

会員活動になるため詳細はお伝え出来ませんが、公知情報や、個人のざっくりした感想などを報告する予定です。

この記事で少しでも技術士活動の魅力をお伝えできればと思っています。

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概要

中部本部の中の組織のひとつに化学部門があります(統括本部ではありません)。

その化学部門では年に数回講演会を行っています。

7月には講演者側として発表させていただきました。

 

詳細は機密情報ということでお伝え出来ませんが、今回は品質不正というテーマで1件話があったので、それについて書いてみたいと思います。

 

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品質不正

ここ数年、品質不正に関するニュースが多くなったように感じます。

しかも、皆さんが一度は耳にしたことがあるような大企業で発生しています。

さらに2000年以降にその傾向が増えているように感じます。

2017年には経団連が「品質管理に関わる不適切な事例の対応について」という形で声明を発表してます。

それにともない各企業が自主点検を行ってきましたが、それ以降でも後を絶たないのが現状になっています。

 

主な品質不正事例

2016年 自動車メーカ 燃費性能データ偽装

2017年 鉄鋼メーカ アルミや銅製品などの品質データ偽装

2018年 非金属メーカなど 品質データ改ざん多発

2020年 総合電機メーカ 長年の法令規格適合検査不正

2020年 繊維・化学メーカ 複数製品における規格認証取得不正

 

2015年以降に発生したごく一部の事例です。

この記事を書いているのは2022年10月ですが、2022年8月には大手自動車メーカで燃費不正が発生してます。

発生パターンがある?

品質不正が発生するパターンはあるのでしょうか。

近年の発生事例を大まかにみていくと

①検査が未実施だったけど、データは出さなければいけないので「データを捏造・流用した」

②検査結果が不適合だったが、商品を出したいので「データを改ざんした」

利益を上げたいので、相手に無告知で「商品の内部情報(材料や手順)を変更した」

こんなパターンがあるのではないでしょうか。

理由なき不正はないので、自社の都合によって発生していると考えられます。

 

不正のトライアングル

以前の記事にも記載してますが、不正が発生する場合は「不正のトライアングル」の3要素が揃った時に発生します。

よいことは偶然には起こりますが、わるいことは必然に起こるということですね。

 

不正のトライアングルについての説明は以下の記事をご参考にしてください。

技術士活動|技術者倫理って何?技術士による講演会から学ぶ
技術士活動のカテゴリーでは、技術士としての活動記録を報告します。会員活動になりますので、詳細はお伝え出来ませんが、公知情...

 

納期や品質目標というプレッシャー、間違えを言いにくい文化、同調圧力など会社の状況で多少ことなると思いますが、ある程度共通している状況ではないでしょうか。

 

個人の意見ではありますが、品質より利益を追求する経営陣に問題があると考えてます。

利益を追求する経営によいものは生まれません。

最初は生まれるかもしれませんが、長く続くと利益ありきの開発や計画になり、最終的には不正が生まれる、不正を見抜けない(見て見ぬふり)という状況になるのではないでしょうか。

経営陣の多くは品質のプロではないと考えており、そこまで見る力はないのが現実であると考えてます。

 

回避方法

講演を聞いた上で回避することができないか私なりに考えてみました。

検査を自動化(人が関与しない)

人の機会をなくすことは限りなく難しいです。

低減する上では人が関与する機会を極力なくす環境を構築することです。

流行りではないですが、DXにもつながります。

 

品質を重視した目標や計画

開発期間は長くなるため、そのためのコストはかかりますが、不具合や不正を発生したときの工数やコストはその比ではないです。

客先や仕入先要望があるかもしれませんが、自分たちの実力に見合った目標や計画が必要ではないでしょうか。

風通しのよい組織(これが一番難しい)

いきなりですが、マッキンゼーの7Sという言葉があります。

企業には3つのハードな経営資源4つのソフトな経営資源があります。

これら7つの資源をもとに個々の企業に最適な事業戦略を考えることができるフレームワークのことをマッキンゼーの7Sと言います。

7つの資源から組織の現状と組織の戦略(組織が望む状態)とのギャップを診断できます。

マッキンゼーが考案したもので、経営者や組織変革コンサルタントなどに幅広く使用されています。

私も企業内の研修で企業を立て直す時の目線としてこの7Sを視点に考えました。

その中で共通価値観、経営スタイルを変えていくことが簡単でないことを痛感しました。

これは時間をかけて醸成していくもので簡単に変わるものではないからです。

会社の文化や風土というものは時間がかかるということですね。

社長が変わるだけではなかなか変わるものではないです。

組織も同様で人の入れ替えで変わるようであればすでに実施されてます。

それでも変わらないのは価値観を変えていくことに時間がかかるからだと考えてます。

風通しのよい組織をつくるとよく上司や部長は発言しているかもしれませんが、そんな簡単なことではないことも理解しなければいけません。

 

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最後に

今回は不正について書きましたが、技術士の講演では技術的な講演だけでなく、技術者倫理、安全衛生など様々な分野の講演を聞くことが出来ます。

技術士会員以外でも参加可能な講演もありますので技術士会HPからぜひ検索してみてはいかがでしょうか。

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