企業内技術士は、基本的には社外活動になります。
この記事では私自身の現在の主な活動内容を報告しながら、技術士の魅力を少しでも伝える事ができればと思います。
はじめに(概要)
概要:理科実験授業研究会
内容:理科教室を想定して、内容の良い点や改善点などを議論する
補足:技術士会中部本部HPに掲載されていないイベントでした
感想
主な気づき
・小学生が何に対して興味を持つことが重要
・家族(親)と話し合うきっかけになり、両者にとって学びになる
・化学現象が身近に起こっていることに気づくこと
・面着だけでなく、オンラインで家庭でも気軽にできると活動範囲が広がる
つぶやき
理科教室は過去に1-2回程度参加したことがあります。
もちろん、自身が主催したことはありませんが、開催できればきっと世界が広がるのでないかと感じてます。
技術士が開催する事に対して思うことを書きたいと思います。
専門家であること
当たり前ですが、化学なら化学部門の技術士が指導してくれた方が納得感ありますよね。
化学部門の知識や経験を活用して化学現象をよりわかりやすくできるのではないかと思います。
理科教室は親子で参加することが多いです。子供が理解できなくても、親が理解できれば、家に帰ったときに説明できますし、その会話(コミュニケーション)こそが、理科教室の意義ではないでしょうか。
世の中に役立っていることを伝える
化学の反応や原理は、多くの分野で役立っています。それを言葉で説明してもなかなか理解されないことが多いです。
身近に起こっていることをわかりやすく伝えることが大事ではないでしょうか。
倫理や安全を意識する
子供に倫理はなかなか難しいですが、安全に作業することを理科教室で学ぶことも大事です。
その点では、安全に作業して周りに迷惑をかけずに作業することを教えることに関しては意識して伝えることが出来るのではないでしょうか。
これも難しいのですが、手順通りやらないと正しい答えが出せないこともある意味倫理です。
教える側も正しく教えて、そして親の指導によって、子供に正しい手順を守るということも大事ですね。これは普段の生活にもつながるかもしれません。
肩書があること(開催しやすい?)
技術士会が主催する理科教室、技術士会に所属する技術士同士で主催する理科教室などがあります。
個人で考えるより組織で考えて企画した方がやりやすいと思います。
技術士会という組織を活用することも大事です(名前も含めて)。
理科教室で学んだ?化学現象
今回の詳細は割愛しますが、化学現象そのものは一般的な話なので以下に説明したいと思います。
クロマトグラフィー
クロマト:色
グラフィー:記録する
有機系の会社や分析会社の方であれば日ごろからクロマトグラフィーは扱っているので馴染みがあるものであると思います。
私自身、専門は無機化学及びセラミックスですが、高専時代は有機系を専攻していた経緯があり、液体クロマトグラフィーは結構使っていて、合成の可否判断をクロマトグラフィーで行っていた経験があるので多少馴染みがあります。
クロマトグラフィーは普段の生活にはあまり馴染みがない現象なので、小学生に対してこの現象を説明するのは少し難しいかもしれません。
化学実験でよくあるのが、ペンのインクを用いた現象かと思います。
実際の実験結果です。
水は毛細管現象で紙の中を水が流れています。
サインペンはメーカによって使っているインクの種類が異なります。インクが水に溶けて流れていきますが、インクの色によって水や紙との親和性(仲良し程度)が異なるということです。
水と仲良しだと水と一緒に流れていきますが、紙と仲良しだと流れにくくなります。
以下に非常にわかりやすい絵があったので引用します。
引用:産総研HP サイエンスタウン ペーパークロマトグラフィー
クロマトグラフィーはガスや液体分離や分析にはかかせない技術です。
近年ではリチウムイオン電池や燃料電池の材料分析事例もあり、今後もますます活躍の場が広がると考えられます。
そんな化学現象を知るきっかけになればと思います。
ルミノール反応
ルミノール(Luminol)は過酸化水素と反応して紫青色の発光を示す化合物です。
この発光反応は鉄や銅、コバルトなどの遷移金属やその錯体、およびペルオキシダーゼなどの酸化酵素によって触媒されます。
この発光量を測定することで過酸化水素や金属の微量定量や定性試験に使用されます。
血液に含まれるヘモグロビン中の鉄錯体が触媒となり、発光反応を励起することから、犯罪現場における血痕検出にも応用されています。
ちなみにルミノール反応溶液は、実験キットでアマゾン等でも販売しているので、安全に配慮すれば家庭でも体感することが出来ます。
最後に
・「理科教室」はそんな簡単に開けるものではないが、小さな範囲であれば開催することも可能
・技術士の方が理科教室を開くケースはよくある、将来的には技術士会で開催するイベントに参加できればと考えている