技術士試験における口頭試験の合格率は、90%程度です。
(化学部門は母数が少ないので数値のばらつきは大きいですが、令和5年の筆記試験合格者は27人、口頭試験合格者は24人、約89%です)
この数字だけを見ると「たいした準備しなくても合格できる」、「ほとんど勉強しなくてもよい」、「適当にやっても大丈夫」と思う人が多いかもしれません。
しかし、10%の方が不合格であるということもまた事実です。
この中で模擬試験を受けることについてメリット、デメリットを書きたいと思います。
模擬試験における見えてきたことも少し記事にしておりますのでこちらもご参考になればと思います。
模擬試験とは?
口頭試験の内容については本記事では割愛しますが、模擬試験はその名の通りで本番に近い形で試験を行うものです。
試験官は合格した現役技術士が対応しています。
技術士講座を持つ会社は8月~10月に日程を発表しています。詳細は割愛したポストになりますが、愛知県で開催している情報になります。
#技術士
口頭模擬試験@愛知の日程です。主催者名は伏せてますが、なんとなくわかるかなと思います。
正確な情報は公式HPを確認してみてください。
合格してからでは遅いので、仮に合格したらどこに申込みしようというのは調査、検討してみてもよいかなと思います。 pic.twitter.com/ZIcCUMET7S— ダイ@技術士化学部門 (@sawamura2004) September 13, 2024
実際の開催情報です。詳しくは各社ホームページを確認してみてください。
見てわかりますが、値段はかなり幅があります。申し込み可能な枠はわかりませんが、筆記試験合格後は争奪戦になることが考えられます。
対面式講座は、東京、大阪、愛知などの主要都市で行うケースが多いです。、地方にお住まいのは長距離移動してでも受験する方がいると思います。そうなると講座の規模にもよりますが受験したい講座を受けることができない可能性もあると思います。
受験するメリット
受験するメリットは以下にあります。
・本番を想定した準備や質疑応答ができる
・自分の話し方の癖を知る
・他の受験生の話し方や受け答え方を参考にできる
・自分が進めてきた準備の総仕上げ&ブラッシュアップになる
本番を想定した準備や質疑応答ができる
模擬試験ということもありこれが一番大事なことです。現役技術士の準備次第ではありますが、過去に本番でも聞かれた質問やそれに対する回答方法を理解しています。
もちろん、面接官本人も口頭試験を受けているのでそれを模擬試験として再現することができます。
その意味では制度が変わった、特に24年現在は令和以降に合格した技術士に指導を受けることをお勧めします。
求められるコンピテンシーを十分に理解して質疑応答してくれるのでより本番に近い形の試験になることは期待できます。
自分の話し方の癖を知る
動画で自分の話し方を見ることはできますが、試験という状況と一人で話す状況では当然ですが異なります。
模擬試験では動画を取って自分の癖などを理解することができる機会になります。
「えーと」「ちょっと」などは話す癖として有名です。20分の中でこれが多いと聞いている方も気分があまりよくありません(下手するとそれが気になってしまうこともあり)。
また、早口だったり、声が小さい等、客観的に見ることができないことが多い自分の癖を理解する機会でもあります。
講座によっては動画を撮影して送ってくれるもの、撮影はしないけど各自撮影してもいいものとあります。
模擬講座を利用することでその機会を得ることができると思います。
他の受験生の話し方や受け答え方を参考にできる
二つ目の話と似ていますが、対面式では多くの講座で数人参加することになります。
自分が試験を受けることだけでなく、他の参加者も同じく試験を受けます。その時間はその試験模様を見ることができます。
これはなかなか体験できるものではないかと思います。座っているときの仕草、話す目線、相槌、入退席の仕方などなど。
試験回答そのものはわからないと思いますが、話す長さ&スピード、想定質問など客観的に模擬試験を見ることができるのでここも得られるものが大きいと思います。
自分が進めてきた準備の総仕上げ&ブラッシュアップになる
想定質問を準備してそれに対する回答、または別の方式で準備している人もいるかと思います。
準備=インプットです。
インプットと同じくらい大事なことはそれを正しく試験=アウトプットできるかどうかです。
アウトプットすることが最終的に必要かと思います。その準備の総仕上げとして模擬試験は非常に大事な位置づけになるのではないでしょうか。
ここで得た成果だけでなく、課題もしっかり認識して、またインプットすることでスパイラルアップしてより精度を高めることです。
そうすれば、合格率90%の中には限りなく近い状態になるのではないでしょうか。
受験するデメリット
個人的にはあまりありません。
強いて言うなら住んでいる場所によっては移動も含めてかなり費用が掛かるくらいでしょうか。
しかし、合格する決意があればそこはデメリットにもなりませんね。
Web形式との違い
対面形式とWeb形式との違いは先に書いたメリットとの比較です。
Webだとどうしても緊張感が出ないケースもあります(自身が家から行うことも)。そこを理解した上でWeb形式を利用するかという点にあります。
・本番を想定した準備や質疑応答ができる・・・Webでも出来るが緊張感は低下
・自分の話し方の癖を知る・・・Webでも出来るが緊張感は低下
・他の受験生の話し方や受け答え方を参考にできる・・・これはできない可能性が多い
・自分が進めてきた準備の総仕上げ&ブラッシュアップになる・・・ある程度は可能
余談ですが・・・
模擬試験(Web形式)のご案内
宣伝で申し訳ございませんが、私個人ではWeb形式で対応させていただいています。
昨年は5件ほどご対応させていただきました。先にお伝えしたWeb形式の特性を理解した上でご検討いただければ幸いです。
セカンドオピニオンの選択肢となればと思います。
口頭試験を受ける心構え
筆記試験対策本を共同で執筆させていただきました。
内容は筆記試験が中心ではありますが、口頭試験に向けたコツ、心構えが書いておりますのでぜひ参考にしてみてください!!
まとめ
口頭試験を受けるメリット、デメリット
- メリット:これまでの準備の総仕上げ&更なるブラシュアップに活用できる (合格に近づく準備ができる)
- デメリット:特になし
2024年は口頭試験模擬講座を対面式でも行います。
2024年11月3日位まで募集しておりますのでご検討よろしくお願いします。