筆記試験でこれまでA評価、B評価を指導の中で体感することができてきました。
その中でB評価、つまり不合格になりやすい書き方があります。
今回はその事例として紹介したいと思います。
論文の評価項目はあくまでコンピテンシー
ここが最も大事です。受験申込書案内には、評価項目に「コンピテンシー」と明確に示しています。
引用:日本技術士会ホームページ 受験申込書案内(令和6年)
どんなに優れた解決策を書いてもそれがコンピテンシーに会っていなければ採点にはなりません。
技術大会ではないので技術の高さではなく、解決策が問題解決策や評価というコンピテンシーという点で評価されるということを意識して書くことが必要です。
今回は、B評価になりやすい代表例を挙げていきます(もちろん代表事例以外にもたくさんあることを念頭においてください)
B評価になりやすい回答パターン
問題解決力
各部門の課題ではない
カーボンニュートラルについての課題に対して、カーボンニュートラルそのものについての課題を抽出するパターン、どの部門でも当てはまるパターンなどあります。
特に後者が回答パターンとして多いです。
カーボンニュートラルやDXは部門に問わず出題されやすいキーワードです。
化学部門においてのカーボンニュートラル達成の課題、金属部門においてのカーボンニュートラル達成の課題は一部重複する部分はあるかもしれませんが、必ず部門特有の課題があります。
その課題を抽出することが重要です。
「出題内容」にも各技術部門にかかわるとあります。
専門的学識
解決策にあるのが自身が提案した解決策ではない
解決策にありがちなのが、「特許で○○とある」、「○○会社が提案した技法」というものです。
たしかに技術的には解決できると思いますが、それは自身の専門知識、経験を活用したものではないです。
言い方を厳しくするとある意味一般的な回答です。
コンサルティングとして解決するためにはご自身の経験でより具体的な方策・方法をもって提案することが必要です。
(コンサルタントに解決策を依頼したのに特許情報を提案されたら困惑しますよね)
技術者倫理
技術者倫理=公益確保と書く(どの問題にも適用される)
多くの方が公益確保を第一優先すると書きます。確かに正解です。
ただ、これもどの問題でも書くことができる内容です。
これも解決策を依頼したときに「公益確保です」と言われて何をしていいのかわからないと思います。
もう一歩具体的なレベルでの提案が求められます。
「機密管理」、「安全」、「環境負荷低減」など
テーマに応じて最も重要な案件は必ずしも一致ではないです。
評価
解決策やリスクに対しての評価を行っていない
解決策の提案する際にそれを行うことでどのような結果を得られるのか、課題を解決できるのか、そこが記載していないことが多いです。
例えば時間短縮することが課題であれば、対策案によって時間が短縮できたのかどうかを概算でも提案しなければいけません。
それが見積れないと解決策が確からしいものかどうかわからないです。
コミュニケーション
構成ができていない
設問4つに対して3枚の回答になっています。つまり設問1つあたり1枚では足りない構成になります。
このような状況の中であるのが、設問4が2~3行になってしまうケースです。これはそもそも技術者倫理についての回答不足もありますが、構成ができてないという評価になります。求められる質問に明確に答えることができていない点ではマイナスです。
設問1、2のバランスも同様です。最初にたくさんの情報を書いて課題が2枚の半分近くまでになってしまうと解決策が希薄になります。
仮に正しいこと書いたとしても文章構成として加点になりにくいです。
最後に
今回は事例のひとつにすぎませんのでこれだけできればA評価にはなりません。
繰り返し書き続けることで客観的にロジックが成立していない点、そしてコンピテンシーが不足している点を見出すことでB評価を回避することができると思います。
B評価の解説、A評価への道を見出すことができる技術士対策本はAMAZONにて販売中です。ご検討よろしくお願いします。